1. スペイン語とは

スペイン語はスペインの他、中央~南アメリカの多くの国で話されています。世界で約20ヶ国で話されています。

ローマ時代に話されていたラテン語口語体から派生した言語はロマンス諸語と呼ばれますが、ロマンス諸語にはスペイン語の他、カタルーニャ語、ポルトガル語、ガリシア語、オック語、アラン語、フランス語、イタリア語、サルディニア語、レトロマン語、ルーマニア語、アルーマニア語などがあります。

ロマンス諸語は、それぞれの地域で他の言語の影響などを受けて、それぞれ分化が進みましたが、今でも文法や語彙にかなりの類似性があるので、ロマンス諸語の一つを覚えると、他のロマンス諸語を覚えるのは比較的容易です。 場合によっては、初見でも、かなり理解できてしまうことも多いです。日本人でもスペイン語をある程度覚えると、上述の言語の簡単な文章が書いてあれば、理解できることが多いです。

逆に、スペイン語を勉強したことがなくても、上述の言語を知っているなら、バルセロナの国際交流会でいきなりぶっつけ本番で会話してみましょう。

上記の諸言語の間には音韻の傾向があります。つまり、イタリア語の母音間の t はスペイン語では d になる傾向があるなどです。コツを掴むと、スペイン語を少しでも知っている人は、ナンチャッテ・イタリア語などができます。

とは言っても、それぞれ別の言語として確立していますから、ちゃんと覚えたい人は、真面目に初めから勉強しましょう。

2. スペイン語の名詞

他のインド・ヨーロッパ系の言語と同じように、全ての名詞に性別があります。例えば mesa(テーブル)は女性、libro(本)は男性です。全ての名詞が男性名詞と女性名詞に分けられます。ローマ時代にあった中性はほぼ全てのロマンス諸語で消失し、多くの場合は 男性名詞に吸収されました。しかし、ルーマニア語などには、今でも中性名詞があります。

名詞自体の語形変化は単数形と複数形だけです。インド・ヨーロッパ系の古い言語にあった双数形はローマ時代にすでになくなっていましたので、ロマンス諸語にはありません。

格変化もルーマニア語などを除いて、ほぼ全てのロマンス諸語でなくなりました。スペイン語やフランス語などでは多くの場合、ラテン語の対格が生き残った一方で、イタリア語やルーマニア語などでは主格が生き残ったために、複数形の作り方に差ができました。

3. スペイン語の形容詞

修飾する名詞が単数か複数か、男性か女性かによって、基本的には4つの語形変化をします。男性女性で語形変化をしない形容詞もありますが、ほとんどの形容詞に少なくとも単数形と複数形はあります。名詞の格変化はスペイン語では前述の通り消失しているので、形容詞も格変化をしません。

また、比較級も、古代は語形変化で表されましたが、現在は、一部の形容詞を除いて、形容詞の前に más を置くだけで表されます。

古代は形容詞は、男性、女性、中性の3性、格変化(ラテン語では6つ)、さらに比較級、そして、比較級も性と格によって変化していたので、語形変化がとても複雑でしたが、それと比べると極めて簡素化されたことになります。

4. スペイン語の動詞

古代は、直説法、接続法、希求法など数多くの法があり、また、時制も、完了形も語形変化で表され、さらに受動態や自分自身に行為が及ぶ中間態も語形変化で表されていたので、一つの動詞が大量の活用形を持っていました。 インド・ヨーロッパ系の、ラテン語より古い言語を勉強する際、動詞の活用表を見ると悲鳴をあげそうになるでしょう。

ラテン語の時代に、すでにある程度まで簡素化されていた動詞の活用ですが、スペイン語ではさらに簡素化が進みました。また、不規則動詞が極めて少ないのもスペイン語の特徴でしょう。他のロマンス諸語に比べると、 スペイン語は外国人に優しい言語と言えるかもしれませんね。

スペイン語では、動詞の代表形、つまり辞書に出てくる形に不定詞を使っています。ローマ時代は、能動態直接法現在1人称現在が代表でした。

スペイン語の動詞の不定詞は、語尾が -ar、-er、-ir で終わる3つのグループに分けられます。-ar で終わる動詞が最も多く、さらに、-ar で終わる動詞は、dar(与える)と、一部の語幹の母音が変化する動詞を除いて、 規則的な活用をします。

-ar で終わる hablar(話す)の活用を見てみましょう。

下の表における活用形の陳列の順は、左上から1人称単数、2人称単数、3人称単数、右側はそれぞれの複数です。

時制 直説法 接続法
現在 hablo
hablas
habla
hablamos
habláis
hablan
hable
hables
hable
hablemos
habléis
hablen
点過去 hablé
hablaste
habló
hablamos
hablasteis
hablaron
hablara
hablaras
hablara
habláramos
hablarais
hablaran

上記は ra 形と呼ばれています。
語尾の -ra- の部分を -se- とする se 形もありますが、使い方などはほぼ同じです。

線過去 hablaba
hablabas
hablaba
hablábamos
hablabais
hablaban
未来 hablaré
hablarás
hablará
hablaremos
hablaréis
hablarán

接続法未来は、諺などの他、法律文書などで使われることもありますが、通常は使われません。形としては接続法過去の ra 形の語尾の ra の部分を re に変えるだけです。

過去未来 hablaría
hablarías
hablaría
hablaríamos
hablaría
hablaría
その他 現在分詞: hablando
過去分詞: hablado
Tú に対する命令: habla
Vd. に対する命令: hable
英語の Let's に相当: hablemos

上記の活用の他に、助動詞 haber+過去分詞の複合形もあります。また、過去分詞は形容詞的用法では修飾する名詞の性と数に一致させなくてはいけません。せいすうので、詳しくはちゃんと勉強してください。

5. スペイン語を真面目に学習

バルセロナにいるなら、MUNDIÑOL日本語スペイン語言語交換はスペイン語の学習と練習に 理想的な交流会です。

バルセロナから遠い所に住んでいても、Facebook を使っているなら、MUNDIÑOL BARCELONA というグループのウォールで、いろいろ質問ができます。 英語や簡潔明瞭な日本語で質問すれば、英語や日本語でスペイン語話者が答えてくれるでしょう。